地震保険の認定調査は何を見る?木造・鉄骨造・RC造で異なる調査のポイント

保険

地震で自宅に被害が出たとき、「地震保険の調査では、どこを見ているのだろう?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

壁にひびが入った、基礎に亀裂ができた、建物が傾いているように感じる。地震のあとには、さまざまな変化が見つかることがあります。

しかし、地震保険の損害認定は、目立つ傷があるかどうかだけで決まるものではありません。建物の構造や工法によって、調査で着目する部分も異なります。

この記事では、損害保険鑑定人の視点から、地震保険の認定調査で確認されるポイントを、一般の方向けに解説します。

地震保険の認定調査とは?

地震保険では建物の損害を所定の基準で評価する

地震保険では、地震によって建物や家財に生じた損害について、所定の認定基準に基づいて損害の程度を判定します。

建物の損害区分は、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に分かれています。認定された損害区分によって、支払われる保険金の割合も異なります。

ここで注意したいのは、地震保険の損害認定が、修理にいくらかかるか、あるいは見た目にどれほど壊れているかという印象だけで決まるわけではないということです。

地震保険には独自の損害認定基準があり、建物の損害状況を基準に照らし合わせて判定します。

地震保険の補償内容や保険金の支払いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

調査で確認する内容は建物によって異なる

地震保険の認定調査では、どの建物でも同じ部分だけを確認するわけではありません。

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、建物の構造や工法によって、損傷が現れる部分や調査で着目するポイントは異なります。また、実際の損害状況によっても確認する内容は変わります。

そのため、「地震保険の調査では外壁だけを見る」「基礎だけを確認する」といった、一律のものではありません。

建物の状態を確認し、それぞれの構造や損害状況に応じて、所定の認定基準に沿って評価していきます。


地震保険の認定調査では何を見る?

建物の構造や損傷の状態

地震保険の認定調査では、まず建物の構造や形状などを確認したうえで、地震による損傷の状態を調べます。

具体的には、損傷がどこに生じているのか、どの程度の範囲に及んでいるのか、どのような状態なのかといった点が確認のポイントになります。

目立つ損傷があるからといって、必ずしも損害区分が高くなるとは限りません。

また、建物に損傷が見つかった場合でも、それが地震によって生じたものなのか、以前からあったものなのかなど、損傷の状況を踏まえて確認する必要があります。

地震のあとに見つかった損傷が、すべて地震による損害として認められるとは限りません。発生した時期や状況など、分かる範囲の情報を伝えることも大切です。


地震保険の認定調査とは?

地震保険では、地震による建物や家財の損害について、所定の認定基準に基づいて損害の程度を判定します。

建物の調査では、外壁や基礎など、建物の構造や損傷の状況などを確認します。

どこを確認するのか、どのように評価するのかは、建物の構造や工法、損傷の状態などによって異なります。

ここで知っておきたいのは、建物の被害が大きく見えることと、地震保険の損害認定の結果が必ずしも一致するわけではないということです。

地震保険には独自の損害認定基準があり、一般的な修理費の見積もりや、自治体が発行する罹災証明書とは、目的や判定方法が異なります。


木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で調査のポイントは違う

建物には、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)など、さまざまな構造があります。

同じ地震による被害でも、建物の構造や工法によって、損傷が現れやすい部分や確認すべきポイントは異なります。

地震保険の建物の損害認定では、建物の主要構造部に着目して損害の状況を確認します。ただし、具体的な調査箇所や評価方法は、建物の構造や工法などによって異なります。

構造ごとの調査で着目する箇所の例を、以下にまとめました。

建物の構造・工法調査で着目する箇所の例
木造・在来軸組工法軸組(柱など)、基礎、屋根、外壁
木造・枠組壁工法内壁、基礎、屋根、外壁
鉄骨造開口部、外壁など
鉄筋コンクリート造(RC造)構造形式に応じた柱・梁、耐力壁など

ここで挙げたのは、調査で着目する箇所の一例です。実際には、建物の構造や工法、損傷の状況などに応じて確認する内容が異なります。

建物の主要構造部にどのような損害が生じているかを確認し、所定の認定基準に基づいて損害の程度を判定します。

そのため、同じ構造の建物であっても、損傷の位置や範囲、程度などによって認定結果が異なることがあります。


構造が同じでも、調査結果が同じになるとは限らない

ここまで紹介したのは、構造ごとの着目点の一例です。

実際の損害認定では、建物の構造や工法だけでなく、損傷の状態や程度なども踏まえて判定します。

そのため、同じ地域で同じ地震を経験した住宅でも、建物の状態によって認定結果が異なることがあります。


「隣の家は保険金が出たのに、うちは違う?」

地震のあと、こんな疑問を持つ方もいるかもしれません。

「隣の家も同じくらい壊れているように見えるのに、どうして認定結果が違うの?」

その理由の一つとして、建物の構造の違いが考えられます。

地震保険では、建物の構造や工法によって、損害認定で着目する部分や評価方法が異なります。そのため、同じように基礎に損傷が見られた場合でも、建物の構造などによって認定結果が異なることがあります。

また、建物の面積など、建物ごとの条件も関係します。

地震保険の損害認定では、損傷の状態などを所定の基準に照らして評価します。例えば、建物全体に対して損傷がどの程度の割合を占めるかが評価に関係する場合、同じ大きさの損傷であっても、建物の規模などによって損害の割合が異なることがあります。

このように、外から見た損傷の大きさだけでは、認定結果を単純に比較することはできません。

大切なのは、近隣の住宅と単純に比較するのではなく、自宅の損害がどのように確認され、どのような基準で判定されたのかを理解することです。


地震のあと、自分でできること

地震による被害を確認するときは、無理のない範囲で次の点を意識しておくとよいでしょう。

  • 被害状況を写真に残す:安全に確認できる範囲で、損傷の全体像と近くからの写真を撮影しておきましょう。
    屋根など自分では確認しにくい場所や、修繕を先に行う必要がある箇所については、修繕業者に施工前の写真を撮影してもらうのも一つの方法です。
  • 被害の場所を記録する:どの部屋のどの部分に変化があったのか、分かる範囲でメモしておく。
  • 気になる点を伝える:調査の際に、特に気になっている損傷や地震のあとに気づいた変化を伝える。
  • 危険な場所には近づかない:余震や落下物などの危険があるため、屋根に上る、損傷した部分に近づくといった行動は避ける。

災害直後は、写真を撮る余裕がないこともあります。安全の確保や避難を優先し、落ち着いてから確認できる範囲で記録してください。

写真がないからといって、直ちに保険金の支払いを受けられなくなるという意味ではありません。まずは被害状況を保険会社に相談しましょう。


まとめ

地震保険の認定調査では、目に見える損傷だけでなく、建物の構造や工法、損傷の状態などを踏まえて、所定の基準に基づき損害の程度を判定します。

木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造では調査の着目点が異なり、同じ構造の建物であっても、被害の状況によって認定結果が異なることがあります。

地震保険の調査で何を確認するのかを知っておくことは、認定結果への理解を深めることにもつながります。

災害が起きたときに慌てず対応できるよう、日頃から地震保険の仕組みを知っておきましょう。


参考記事

本記事の作成にあたり、地震保険の制度や損害認定に関する以下の公開資料を参考にしています。

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